幼児教育の重要性と意義
- 幼児期が教育において大切な理由
- 脳神経の成長と知識の発達には密接な関わりがあります。
- ジャクソンとスキャモンの発育曲線によると、人間の脳と神経の成長は3歳で80%が、6歳で90%が完成し、12歳でほぼ成長を終えてしまいます。
- また、ベイレイの知能発達曲線を見ると、同じ様な形を描いており、脳と神経の成長と知識の発達は密接な関係にあることが分かります。
- つまり、赤ちゃんの内から、たくさんの良い経験をし、上質で豊富な情報を与えることで、脳神経細胞はより多くのシナプス(下記をご参照ください。)を発達させ、脳の回路のネットワークは複雑に成長し、”高性能”な脳を持つことができるようになり、それが一生を左右するということが言えます。
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知識の詰め込み、丸暗記だけなら6歳以降でも努力次第で出来ますが、考える力、創造する力、解決する力を育てるには3歳までの環境で80%、6歳までの環境で90%が決まってしまうのです。
- <シナプスについて>
- シナプスとは、脳の中で信号を伝える神経細胞と神経細胞の間に複雑な回路を作っている言わば“つなぎめ”です。外界からの刺激に神経細胞が反応して、活動することでシナプスが形成されます。
- 神経細胞1個あたり1万個にも及ぶシナプスがあり、それが神経細胞内の正しい場所で、一定範囲の数とサイズで一生涯維持されます。
- また、シナプスの数、サイズ、伝達効率は、経験や刺激の種類に応じて柔軟に変化することも知られています。こうしたシナプスの“精緻性”と“柔軟性”は、脳の発達や高次機能に不可欠であり、シナプスが多ければ多い程、多様で大量の情報を伝達、処理できると言えます。
- 脳の2つの働き
- 幼児期の脳は2つの働き(直感的理解力、論理的理解力)を駆使することで、大量の情報を処理し、理解することができます。
- 赤ちゃんはまだ言葉を持ちませんから、物事を論理的に考えて理解するのではなく、物事をありのままに直感的に取り込むことで理解していきます。大きくなるにつれ、この直感的に理解した情報を元に、経験や言葉を通じて論理的に理解するようになります。
- この2つの働きはお互いに密接に関わっており、どちらが優位ということはなく、どちらか片方だけでは成り立ちません。この直感的理解力が処理できる情報量とスピードは論理的理解力の約10万倍と言われ、0~3歳の間が最も活発です。
- そして、年齢が上がるにつれて次第に直感的理解力よりも論理的理解力により物事を理解するようになり、9歳でほぼ入れ替わり、論理的理解力中心になると言われています。
- この、人生で最も多くの情報を処理できる時期を逃さず、より多くの情報をインプットし、論理的に関連付けて理解させることは、大変有意義であると言えます。
- 未来を左右する幼児教育
- アメリカでペリー就学前計画という実験が行われました。これは、3、4歳の就学前の幼児を、質の高い幼児教育プログラムに2年間参加したグループと全く参加しなかったグループに分けて、40年に渡り追跡調査したものです。
- その結果は大変明らかな差となって現れました。前者のグループは学校でより良い成績をおさめただけでなく、高校卒業率、持ち家率、平均所得が高く、婚外子を持つ比率、生活保護受給率、逮捕者率が低いという結果が出たのです。(この追跡調査は現在も継続中です。)
- この結果から、ノーベル経済学賞受賞者であるヘックマン教授は、“就学後の教育の効率性を決めるのは就学前の教育にある”とする論文を科学雑誌“Science”に発表し、3、4歳の時期に適切な教育を受けずに過ごしてしまったこどもは教育投資の効果が小さくなり、学習意欲を高めることは難しく、効果は限定的なものになる、と結論づけています。
- 文部科学省はこの実験結果、論文を重く受け止め、幼児教育の重要性への認識を急速に高め、現在様々な取り組みを行っています。
- 他言語の習得には幼児期が最適
- 何年勉強しても他言語を身に付けるのが難しい人が多いと思いますが、その理由の1つに、日本語と他言語の周波数の違いがあります。
- 例えば、日本語は125~1500ヘルツの低周波音、英語は2000~15000ヘルツの高周波音を持ちます。
- 人間は20~20000ヘルツの音域の全てを聞き分ける能力をもって生まれてきます。
- しかし、胎内にいる時から脳の成長が完成し論理的理解力が中心になってしまう年齢まで日本語しか聞かずに過ごした場合、日本語しか聞き取れない脳になってしまいます。
- そうなる前に日本語以外の周波数の神経回路を作りだすことで、英語、更には複数の言語を聞き分けることが可能になってきます。
- 更に直感的理解力の著しい幼児期であれば、言語を概念でとらえ、母国語式に、しかも情報を大量に処理し、日本語をいつの間にか話し始めたように、他言語を話し始めることができるのです。
- このことに注目し、“多言語”を聞き取るレッスンを取り入れます。